【さかなのゆめ 


白黄金の光を鱗に映し、
海の深い波に乗り、
銀色の小魚たちは 
青い空を泳ぐ。

陽の光を浴びたなら、
銀の鱗は剥がれおちて 
不思議の虹色を空へと放つ。

月の光を浴びたなら、
不思議な鱗は空を舞い、
海に銀の色を撒き散らす。

村雨のかたい指で触れたなら、
彼らは世界に染みこんで、
空の真下へと旅に出る。



流線型の空の下。穏やかな風の丘。
そこに立つ家主を失った蔦の絡まる家に、
その部屋のイーゼルに残された海の絵の片隅に、
小さな心の全てをあずけた少女の住処は、永遠に。

5月の夢に別れを告げて、私は終の旅に出た。



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(2010.6.20)

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