【さかなのゆめ】
白黄金の光を鱗に映し、
海の深い波に乗り、
銀色の小魚たちは
青い空を泳ぐ。
陽の光を浴びたなら、
銀の鱗は剥がれおちて
不思議の虹色を空へと放つ。
月の光を浴びたなら、
不思議な鱗は空を舞い、
海に銀の色を撒き散らす。
村雨のかたい指で触れたなら、
彼らは世界に染みこんで、
空の真下へと旅に出る。
*
流線型の空の下。穏やかな風の丘。
そこに立つ家主を失った蔦の絡まる家に、
その部屋のイーゼルに残された海の絵の片隅に、
小さな心の全てをあずけた少女の住処は、永遠に。
5月の夢に別れを告げて、私は終の旅に出た。
←back
| top |
next→
(2010.6.20)
© 2010 hizg All Rights Reserved.